鈴木つな|ダンスパフォーマーDance performer

「赤い羽根」

志村陽子の作品は、それだけで既に完成し、完結している。そこには、穢れのない純粋で静寂な世界が広がっている。今回、鈴木つながその世界の中で踊ることで、生きた身体が入りこむことになる。
 生きてゆくこと、この世界で命をつないでゆくことはたやすいことでは無い。すべての命は、自らの命を全うするために穢れを背負って生きる。この清濁併せのんだ身体が志村の作品の中に入り込むことは、ある意味で、彼女の作品を汚すこととなる。しかしながら、絶えず呼吸する生きた身体はその世界に時間をもたらす。生まれては死にゆく最中のその身体は、生きているものとしての美しさと醜さをそこに付加することで、新たな角度からの作品の解釈が可能になる。
 さらに、赤という色は血の色であり、太陽の色であり、エネルギーの色、欲望の色でもあり、生の象徴として登場する。志村作品の白の世界の中で異質な赤は、鈴木つなの存在そのものの異質さを表すことになるのか、やがては志村作品が生を受け止めることになるのか、とにかくは、踊ってみたいと思う。

2019年6月2日